被災地の子供たちを想う…
今年の元日に起きた能登半島地震で被災した学生たちを想ったとき、衛生環境のとりわけトイレ周りの臭いというのは大変な苦痛を伴うのではないかと考えました。
弊社は建設業を軸に事業をしていますので、仮設トイレがどのような物かを、よく知っています。
皆様も大型のイベント会場などで目にすることもあると思いますが、一般的にはプラスチックの囲いに便器を取り付けただけの物です。大型の建設現場では上下水共にしっかり整備されていますが、小さい現場などではタンクに溜めて定期的に処理するというところもあります。いわゆるくみ取り式というやつです。
この後者の場合、用を足した後、少量の水は流すもののタンクには直結ですので臭いがこもります。さらにプラスチックの囲いの中は換気も良くありませんので気温が高い時期にもなりますと近寄りがたい臭いを纏ってきます。
そこで想像してもらいたいのですが、つい最近まで断水が続いていた被災地です。震災直後に仮設トイレの設置はされたでしょう。しかしながら満足に水も流せないトイレは多感な思春期の子供たちにとってはなかなかに耐え難い物なのではないかと思ったのです。
何か少しでも助けになる事が出来ないかと考えて各方面にアプローチを掛けた所、石川県輪島市で「地域おこし協力隊」として、被災した中高生への学習支援をされている中川雄介さまとお話をさせていただく事ができました。
様々な課題を抱えた中で子供たちの精神的なケアにもなるのではないかという事で、弊社のデオトーンをお配りする事にしました。栃木県下野市の地域おこし協力隊にも協力を仰ぎこちらの子供たちに応援メッセージの入った飾りつけを付けてもらいました。
4月17日に現地へ赴き、数に限りは有りますが仮設トイレや学校のトイレなどに置いてもらいました。
お届けしてからおよそ二ケ月が過ぎました。色々とお忙し中、中川様よりその後の様子や子供たちの反応などをしたためたお便りをいただきました。
以下にご紹介させていただきますが、とても明るく前向きな言葉の数々に、やれて良かったなと思いを新たにするところです。
学生たちからの声
- ニオイが嫌で仮設トイレにいくのが嫌でしたが、あまり気にならなくなりました。
- 学校のトイレのニオイが嫌で、家まで我慢していましたがそこまでしなくてよくなりました。
- ニオイが余り気にならなくなり、仮設トイレや学校のトイレに行けるようになりました。
- トイレだけでなくゴミ箱にも使っています。ありがとうございます。
- かわいい絵やメッセージありがとうございます。勇気づけられました。
中川様からも
『輪島ではまだまだ生活することで精一杯です。まだ水が使えないところもあります。私の家もつい最近やっと使えるようになりました。
テレビでの報道はほとんどなくなってしまったかもしれませんが、半年経っても状況はあまり変わっていません。
そんな中でトイレに行った時には皆さんのメッセージが目に入ります。それをみると、一緒に頑張ってくれているのだなと感じます。
本当にありがとうございます。』
とのお言葉をいただきました。
少しでもお役にたてていたら幸いです。
一日でも早く復興し、また平穏な暮らしに戻られることを願っております。
本橋 昭次